月兎の話
昔有る処に兎と狐と猿がおりました。或る日お腹を空かした老人に出会いました。3匹は老人の為に食べ物を集め、猿は木の実を、狐は魚を取ってきました。兎は一生縣命頑張っても何も持って来ることは出来ませんでした。そこで悩んだ兎は、猿と狐に焚き火を頼み、「私を食べてください」と言って火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げたのです。実はその老人とは帝釈天という神様でした。哀れみた帝釈天はお月さまに兎を写し、兎が食べる物に困らぬ様に餅を突く様な姿にして、この月を見て食べ物に感謝する様お月見をしたのです。日本では兎の餅突きに見えるといいますが、欧米では女性の横顔、インドネシアでは編み物をしている女の人、中国でははさみを持つ蟹、ベトナムでは木の下で休む男、オーストラリアでは男性が明かりを消したりつけたり、ドイツでは薪を担ぐ男、カナダインデアンではバケツを運ぶ少女、等世界の見方がそれぞれ面白いですね。