1月1日 正月(元日)
正月は行事食の最も濃縮され、一年の始め、月の始め、日の始め、先人は幸福を願って行事をし、食べられたものです。
松飾りは12月28日頃飾る
年中青々とし、元気である松に神が宿るという意味から玄関左右に飾る。向かって左を雄松、右を雌松と呼んでいる。
稲藁(いなわら)で七五三縄(占め縄、閉め縄、〆縄、注連縄)を造り、紙垂(しで)を垂らす。紙垂は稲妻、稲穂の意味が有り、風に揺らぎ元気の閉め縄には邪気が入り込めない神聖な所となる。
遊びの中で
羽根突き 女の子の遊び、羽根は「トンボ」を意味し、トンボは「蚊」を食べ、蚊に刺されないよう病気にならない願いである。
凧揚げ 男の子の遊び、凧を空高く揚げて、希望や願いを揚げたと、云われる
双六 目が出る 六はサイコロの六面を二つ転がす為、双六という
独楽(こま) 男の遊び。中国から朝鮮半島の高麗(こま)を経由して入って来た為{こま}と呼ばれ、廻る独楽の元気を表しています。独楽はバイ貝の殻を回していたことから、バイ独楽からべイ独楽 に なりました。
かるた 農耕文化では季節感が大切で、季節を知り豊作を祈る為である。
おせち料理
釜戸に〆縄を張り、休ませる為、重箱に日持ちする料理を詰める
一之重 口取り 正月の代表料理
弐之重 家喜物(やきもの)
参之重 福芽煮(ふくめに) 多喜合せ(たきあわせ)
与之重 寿之物(すのもの)
おせちの意味
れんこん(蓮根) にんじん(人参) きんかん(金柑) きんとん(金団) ぎんなん(銀杏)
豆きんとんの中には、いんげんまめ(隠元豆) 「ん」は運に通じ、「ん」が二つも付いています。雪のさなか何もない時期に家族の幸福を祈り、「運」が付く願い。
田作り 誰もが片口鰯なら手 に入る。これを神棚に捧げ豊作を祈る
昆布 養老昆布と書いて〔喜ぶ〕と読み、子生富とも書く
伊達巻き 伊達男、着飾る
慈姑(くわい) 蓄えに通じる
黒豆 黒く豆で
数の子 親は「にしん」で二親とも書ける。二親とは両親を大切に子孫繁栄というが、にしんは一万粒しか生 まれない。鱈子(十万粒)まんぼうは(一億粒)子孫繁栄ならにしん以外の方が子孫繁栄になるのだが、両親を大切にする心だ
鰤(ぶり) 出世魚で成長により名前が変わり成長出世(関西地方)
栗 勝栗に通じ、商売、自己に打ち勝
鮭 栄に通じる(関東)
蒲鉾 初日の出
海老 脱皮して成長、そして長寿の姿
お餅について
餅は長持ちする意味からこの名があります。
餅は穀類の塊りでこの中に穀類の魂が宿る、穀霊の意味が有り、豊作を祈る
◎雑煮
雑煮の餅は切り餅(関東風)と丸餅(関西風) 大体ですが岐阜県 関ヶ原当たりから入りくんでいるが、別れる。切り餅は伸し併を切り、焼いてから雑煮に、丸餅は丸く押して、焼かずに鍋に入れ雑煮にします。切って焼いた餅は膨らみ、丸くなる。丸餅は元々丸いので焼かない。丸い事は鏡で自分の心を映し自分自身を見つめ直す意味でしょう。
雑煮は地域によって造り方が異なりますが、青味は冬菜と言われる小松菜を使い、正月の松に通じる。
◎鏡餅(お供え餅)
大きな重ね餅を供え、下側が太陽、上側が月を意味し、鏡に映した心を表しています。
譲り葉を飾る。枯れない内に新芽が出て譲り受け、子孫繁栄
裏白の葉 謙虚
串柿 干柿を串に打ちお供え餅の上に載せ、柿(掻き)集める意味
橙(だいだい) 蜜柑は代用で、橙は葉が落ちても実は落ちず、翌年も残る実として橙は代々と書き、子孫繁栄につながる。